今週、ニューヨークタイムズが出版社の観点から、本作りにまつわるコストなどのブレークダウンを出した。デジタル化することで印刷代は浮くものの、その他の印税やマーケティングの多くのコストは変わらず残る、といっている。

平均的なハードカバーの価格は$26、この本を印刷し、保管、出荷するのにかかるコストは$3.25ほど。このコストには、書店からの返品も含まれている。出版社に入るのは、販売価格のだいたい半分の$13。しかし、ここから著者への支払い・表紙デザイン・コピーライティングなどのコストを支払うと、出版社の手元に残るのは$4.05ほどになる。本来ならここに、さらにオフィスの家賃や電気代などが入る。

iBookstoreに関するAppleと出版社の契約では、ハードウェアメーカーが30%、出版社に残るのは一般的な$12.99の書籍で$9.09となる。この粗利益から出版社はテキストをデジタル化するのに50セント、デジタルフォームに活字組み・編集する。マーケティングは1冊につき78セントくらい。

電子書籍の著者印税は$2.27 から$3.25くらいなので、一般管理費(家賃・電気等)の支払いをする前に出版社には$4.56から$4.54くらいが残ることになる。Amazonの$9.99の電子書籍の場合、出版社は$3.51から$4.26くらいが入ってくることになる。

一見すると、電子書籍の方がより利益がでるようにみえる。でも電子書籍はまだ全体の3-5%にしか過ぎない。もし紙の書籍が電子書籍に取って代わったら、出版社には書籍の各種費用(保管や出荷)は今までどおりコストとして負担する一方で、その対象は減ることになる。また出版社はBarnes & Nobleといった書店への配慮で電子書籍を安くしすぎることに懸念を示している。

Appleは電子書籍をiBookstoreで提供する。iBooksのアプリケーションではバーチャル3Dの書籍棚にユーザが自分の書籍コレクションを表示できるようになっている。取り扱われる書籍はKindleと同様、主要出版社からのベストセラーなどを含む。

iPadのローンチで、出版社はアマゾンに新刊ハードカバーの価格設定をあげるよう押している。現在Kindleでは電子書籍が$9.99で売られているが、この価格は今月末のiPadのローンチまでに$12.99と$14.99に値上がりすると見込まれている。この動きを率いたのはMacmillanで、その後まもなくHachette Book GroupHarperCollinsがアマゾンとの交渉に続いた。先週Appleのジョブスが7月のiPad発売を発表したキーノートをうけて、アマゾンは出版社に必死の電話をかけたといわれている。

今回は出版社の言い分が通り、アマゾンは致し方なく値上げに同意したが、すべてのベストセラーが新価格で提供されるわけではない。多くは$12.99と$14.99で販売されるだろうが、出版社には一部の電子書籍をそれ以下の価格で提供することもできる。

Publishers Justify $13-$15…

$12.99と$14.99