「クールエイドを飲む」などスタートアップ界隈でよく聞くフレーズたち

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毒舌おじさんの翻訳本が出るよ

キラキラ文化と、塩が出りゃいいはずのソルトシェーカーにどうしてもBluetoothが必要なのよ」で紹介した、Dan Lyons(ダン・ライオンズ)さんの著書「Disrupted: My Misadventure in the Start-Up Bubble」。

なんと、講談社から翻訳本が出るようです(ピアレスゆかりさん、情報をありがとう)。書籍名は、「スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家」。アマゾンで予約注文受付中。発売日は、2017年6月13日です。

商品ページからは表紙画像が欠けていますが、ちらっと拝見したバージョンには「毒舌おじさん」や「キラキラ」といった言葉が飛び交っていて、まさに読んだ印象のままという感じでした。

スタートアップ特有の表現たち

「毒舌おじさん」という表現からも想像つくように、なんせおじさんなのでスタートアップ特有の言葉やフレーズには疎い。疎いを越えてちんぷんかんぷんです。

でも、ちんぷんかんぷんなのはおじさんだけじゃなく大半の読者も同じなので、それをわかりやすく紹介しようとしてくれていて良いかも。翻訳本でどんな風に訳されているかを見てみるのもひとつの楽しみ方でしょう。

翻訳本の中で元の英語の表現が記載されているか、つまりは特定できるかわからないけれど、本に登場する表現をいくつか解説してみますた。

“dumb money”というのは、経験が浅い、またはないに等しい人たちによる投資資金のこと。例えば、ハリウッドセレブとかね。事業のポテンシャルは関係なく、ただITスタートアップに出資するのがクールだから出資しているような人たちも多いから。Fortuneによると、2010年頃に表に出始めた表現らしい。

次の表現は、特にシリコンバレーやIT業界に限らず使われるよ。すべての企業に言えることだろうけれど、たしかにスタートアップはそれが顕著かもしれない。

“Drinking the Kool-Aid”は、普通の人が組織に取り込まれ、妄信すること。カルトと信者の関係みたいな。ちなみにKool-Aid(クールエイド)というのは、毒々しい色をしたアメリカの粉末状のジュース。アップルやグーグルなどの大手、またスタートアップを含め、IT業界はクールエイドを飲む人たちで溢れていると。社員がみんな同じ言葉を話し、同じように考え、同じように行動する一種のカルトのようなもの。

この表現の語源を調べてみたら、怖い事件がきっかけになっていることが判明。1978年に集団自殺を行ったアメリカのキリスト教系のカルト「人民寺院」。彼らが集団自殺に使ったシアン化合物入りの飲料水にクールエイドのような粉末を使っていたことが語源らしい(参照)。

今の若い人にとっては?!だろうけれど、古い表現には “Kodak moment”(写真に収めるべき瞬間のことを指す表現)とか、”Zerox machine”(メーカーにちなんでコピー機全般をこう表現)なんてものがある。

こうやってブランド名がポジティブな形で定着するのは素晴らしいけれど、クールエイドにしてみたらたまったもんじゃなかっただろうね。

組織が二流プレーヤーで溢れる理由

最後は、Disruptedの77ページ目に登場する “bozo explosion”という表現。というか現象。ダン・ライオンズさんによると、スティーブ・ジョブスが言っていたことらしい。以下、bozo explosionに関する説明を抜粋。

Apple CEO Steve Jobs used to talk about a phenomenon called a “bozo explosion”, by which a company’s mediocre early hires rise up through the ranks and end up running departments. The bozos now must hire other people, and of course they prefer to hire bozos. As Guy Kawasaki, who worked with Jobs at Apple, puts it: “B players hire C players, so they can feel superior to them, and C players hire D players.” That’s the bozo explosion, and that’s what I believe has happened at HubSpot in the course of the last seven years.

“bozo”という言葉は、愚か者とかバカな男などという意味。会社を立ち上げたばかりの頃は、組織としての知名度も実績もないため、スタートアップは採用に苦労する。人材を選ぶ贅沢は許されず、その結果、猫の手でも借りたい思いで二流の人材を採用してしまう。

すると、初期に採用された二流の人材が組織内で地位を上げていき、部門の責任者になっていく。彼らが人を採用する立場になり、部下より優位に立つために、BレベルのプレーヤーはCレベルを採用し、CレベルのプレーヤーはDレベルを採用するといった具合に。

これ、あるあるすぎるでしょ。

過去に執筆した英語関連の記事

スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家」の一番の魅力は、毒舌おじさんの毒舌ぶりだけれど、IT業界に特有の英語表現を気にして読むと楽しいはず。

ダン・ライオンズさんは、ニューズウィークを解雇された後、少しだけ「ReadWrite」にも在籍していたのね。

Let’s All Shed Tears For The Crappy Startups That Can’t Raise Any More Money“と題された記事でも、スタートアップをコケにしてる。TechCrunchの記者には、「不必要に意地が悪い」と指摘されているけれど。でも、スタートアップだ、資金調達だってちやほやされる世界では、こういう人が必要でしょう。

最後に、こんな感じの英語関連の記事は、以前に「The Japan Times for Women」とDMM英会話さんのブログで執筆しております。DMMさんのは、記事案から担当しますた。

Cheerio!

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Yukari77 Written by: