すべては先入観や偏見で脳がつくる作り話一ー筆書きで解くナインドットパズル

フリーになる前、まだ会社員だった頃、会社のやり方や方針に対して「なぜ?」と聞くことがあった。一番萎えたのは、「今までそうしてきたから」と返ってきたときだった。理由になってない。

でも残念ながら、先入観や決めごとって組織や職場に限った話じゃなくて、普段から、わたしたちの物の考え方や解釈をもむしばんでるんだよね。

今日はそんな話をちょっと。

すべては作り話だ

以下は、”The Art of Possibility“(Rosamund Stone ZanderとBenjamin Zander著)という本の”It’s All Invented”(すべては創作だ)と題された第1章から抜粋したもの。

アフリカへの市場拡大を目論む靴のメーカーが、アフリカのとある地域に2人のマーケティング担当者を送り込んだ。1人の担当者からは、こう電報が届いた。

SITUATION HOPELESS STOP NO ONE WEARS SHOES.
(絶望的な状況。誰も靴を履いていない。)

もう1人の担当者からは、勝ち誇った内容の電報が届いた。

GLORIOUS BUSINESS OPPORTUNITY STOP THEY HAVE NO SHOES.
(素晴らしいビジネスチャンスだ。彼らは靴を一足も持っていない。)

目の前のファクトは変わらないのに、その解釈はこうも違うことがある。

誰もが色眼鏡を外せないでいる

image via. Flickr

蛙には、ごく限られた情報しか見えないらしい。お母さんの顔すら見えなくて、見えるのはサバイブするために必要な情報だけ。人間の目や脳も同じようなもの。情報を取捨選択して、それを解釈して勝手にストーリーを組み立てる。

“It’s All Invented”、そう、どんな意見や解釈も”つくられた”もの。無意識な偏見や先入観で持ってでっち上げられたもの。これは、人の性格や姿勢といった次元の話じゃない。誰もが外すことのできない色眼鏡をかけているということ。

この気づかぬうちに出来上がったパラダイム(とある時代における物の見方や捉え方)の存在にハッと気づかせてくれるエクササイズがあるんだって。

その名も、ナインドットパズル。有名らしいけれど、初めて知った。

一筆書きで解くナインドットパズル

nine dot puzzle

課題:9つのドットを、一筆書きの4本の直線で繋げよ。

このパズルを見たわたしたちの脳の中は、すぐさま二次元の四角をとらえる。まるで棺に打ち付けられてびくともしない釘のように、ドットが並ぶ。

この課題を耳にした人の大半が、質問に勝手にコンテキストを加えて解釈してしまう。

「9つのドットを、外側にあるドットがつくる四角の範囲内で、一筆書きの4本の直線で繋げよ」。

“外側にあるドットがつくる四角の範囲内で” だなんて一言も言われていないのに、すでに四角しか見えない状態になってる。以下の画像を見るとわかるように、このフレームワーク(考え方)は行き止まりでしかない。

ナインドットパズルはどうしても四角に見えてしまう

でも、当初の課題に少し言葉を加えてみたらどうだろう。こんな風に。

「9つのドットを、一筆書きの4本の直線で繋げよ。紙全体を使って良し」。

こう言われていたら、またはこう解釈する余地を探っていたら、最初に見えてくる四角にとらわれることなくパズルを解決できたかもしれない。

ナインドットパズルの回答

人生におけるあらゆる課題やジレンマは、すべて私たちの心が定義する”できること”の範囲内で決められる。咄嗟に出てきたフレームワークや視点のなかでだけ解決しようとするから、課題がより困難に感じられる。

でも、その箱を少し広げてみれば、それまでは見えなかったチャンスが姿を現して、不可能が可能になるかもしれない。

「自分はいま、無意識のうちに何を決めてかかっているだろう?それが物の見え方をどう支配しているだろう?」

と問うことが大切だって。”Think outside the box” はだいぶ言い古された表現だけれど、この「四角にとらわれる」、だいぶやっちゃってることだと思うんだ。

最後に、ナインドットパズルの答えはこちら。思いっきりはみ出したっていいのさ。

ナインドットパズルの正解